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箱には無秩序に日常が投げ込まれているよブログ

こってりどっぷり

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)

これまで課題図書として近代古典を読まされたり、よくわからん専門書を読まされたりして疲れ切った脳を癒すべく、ケーキ代わりにファンシーなイラストをあしらった表紙を持つ本作を手に取ってみたが、スポンジは古典力学、生クリームは量子力学、彩るフルーツは虚無感というとんでもない代物だった。
数年前に切り捨てた物理がこれでもかと登場してきて、読み終わってからようやくこの作品がSFだったことに気づかされる。しかしながら、外見がきわどければきわどいほど食べた際にギャップは生じ、即ちケーキの中心に埋まっていたものは見事な爽快感を与えてくれた。
ここには万人が抱えている謎がある。ひたすらに濃い力学描写を気にしないならば、きっと楽しめる作品だと思う。ただ、今現在の僕と同じ境遇の人は受けるダメージが増大する怖れがあるので、色々なことにケリをつけてから読まれることをおすすめします。まあ、その分だけ爽快感が増すのも確かなんですけどね。
なお、相変わらずカテゴリには深い意味はない。