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箱には無秩序に日常が投げ込まれているよブログ

こちらは幾つか越年あり

お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 (GA文庫)

お隣の魔法使い 始まりは一つの呪文 (GA文庫)

前に購入したやつが二作目だったので、急いで一作目を買ってきました。いやー、やっぱいいですね。
基本的にノスタルジーを感じさせることをしているんだけど、それでも作品としての視点は前を向いてるのが何よりもいい。

「いいから元に戻して。あたしは、今のあたしが手入れした昨日までの庭がいいの」
探索用の草むらは、それがすでにあったものだからこそいいのだ。誰かが用意してくれたものではつまらない。それに、今のあたしには小さすぎる。それが思い出のレプリカであるなら、なんだか思い出自体が小さくされてしまったようで面白くない。

これは、突然自分の家の庭が、昔遊んだ草むらに似た姿になってしまったときの主人公のセリフだ。思い出は思い出であり、それはそれで大事だが、それよりもこれからの方がもっと大切だ。そういった思いでこの作品はあふれている。
たとえば、よつばとなんかも同じだ。見てる側からすればノスタルジーを感じるが、よつばは常に今を楽しんで未来を見ている。
そういった、ポジティブな感情にあふれた、素敵な作品なのだ。たまにはまじめに感想を書いてみた。

(上-上)=下って、おまえ……。だから考えもなしにキャラを増やすのは止めろと言ったのに。
というわけで、1934年2つ目の上巻である娑婆編。シカゴを舞台にしたあれやこれやなんだけど、うーん、やっぱ、勢いが足りないなあ。グラハムがもっとやってくれるかと思ってたんだけど、残念でならない。まあ、ルネがある程度は暴れてくれたけど、あれは勢いが足りないからなあ。
というか、クリストファーのキャラってこんなんだったっけ? いきなり出てきていきなり去って行ったから本気で覚えてない。時間が有れば1933の下巻をもう一度読み直そう。って、ラッド・ルッソの時も同じようなことを言ったような気がする。
獄中編で不思議だったフィーロの行動も説明されて、一応納得。監獄と娑婆、二つの流れがどうやって完結編に流れ込んでいくのかに期待したいと思いますよ。
“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

元ネタを知ってるとこんなにも面白いんですね、と。
いやー、やばい。何がやばいって武者小路実篤の「友情」ですよ。これは本当に良い作品なの。まじで。そしてその作品のエッセンスを余すところなく使い切っているこの「繋がれた愚者」も本当にやばい。野島と大宮について女性陣が寸評を下す場面はニヤニヤしながら読んでしまった。そうだよな、やっぱ嫌だよな野島は。そしてそこに萌えるってのもよく分かる。でもやっぱ大宮だよなー。
今回はミステリーとしてもうまい。ミスリードが多数しかけられてて混乱しきり。解けたと思えばまだ縺れていたりともう最高。最後の登場人物も含め、今作は本当に練りに練られてますよ。
文学少女」という作品全体で見ても、どうやら今回がちょうど中間くらいらしく、それぞれのキャラが少しずつ動き出しています。主人公の心葉はもちろんだけど、クラスメイトの芥川に琴吹。特に琴吹はようやく「ただのツンデレ要因」から脱却できたようで喜ばしい限り。今後ますます物語に食い込んできそうですし、是非がんばっていただきたい。まあ、幸せな未来が残念ながら見えないんだけどな!