ハコブロ

箱には無秩序に日常が投げ込まれているよブログ

石川博品『後宮楽園球場』

 

野球の興業で身を立てた一族が興した帝国で、皇帝を殺めるため女装して後宮に潜り込んだら女の子たちがみんなして野球していたという話。

タイトルにつられて買ってみたところ、まあ意外と野球してました。ラノベ用にルールをいじってましたけど(表裏の点の取り合いで勝負が決まる、回数は3回まで等)、短い時間で勝負をつけるには丁度いいんじゃないですかね。そこら辺に関しては文句ありません。しかし美女のはずなのにみんな清原とかダルみたいな印象になってしまって困る。

後宮作品は正直そんな読まないんでいまいち雰囲気とかが掴みかねるんですが、しかしなんかそれっぽい雰囲気が出てるなあとは思いました。しかし専門用語がいまいち分からなくてちょっと苦しかった。風景が描写されるたびに脳がちょっと待ってと読み進めるのを邪魔していた。後宮の資料が切に欲しい。

最初は女の野球なんて野球じゃないとバカにしていたカユクだったり、新参者に冷たい態度を撮っていたミシャだったりが、野球を通して、一つのプレーを通して、言葉もなく結束を固めていっていたのが印象的で、ただ野球をするためだけの体になりたいと泣いたシーンは非常に感動するものでした。

そんなわけで面白かったです。ただ、後宮ものとしてはまだまだ波乱がありそうですけど、野球ものとしてはどうかなあ。まあいろいろと驚きの選手がいたし、今後も万国びっくりショー的に出てくるのかもしれませんね。あと、最初のうちはずっと後宮の話で全然野球が出てこないので注意です。もっと野球を!