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箱には無秩序に日常が投げ込まれているよブログ

田中ロミオ『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

痛かった。ただひたすらに痛痒かった。なんだろう、ありもしなかった過去を「これがお前の辿るはずだった真実の過去だ」と突きつけられたような気分とでも言いますか。何度も読み進められなくなったよ。というか正直、子鳩さんがいなかったら読み進められなかった。子鳩さんがいたから頑張れた。それもロミオの狙い通りだろうと分かってはいても頼らざるにはいられなかったよ。
佐藤の言い分は良く分かって、普通になる努力を放棄したやつには不快感しか沸かない人間なのでドリームソルジャーたちはもう痛くて痛くてしょうがなかったんだけど、でも間違いなく楽しんで読むことが出来たのは田中ロミオの筆のうまさをしみじみと感じるしかないのよね。
最後がハッピーエンドになったのは、まあ、当然って言えば当然だよね。だって中二の僕らが好きなのは、途中がどんなにつらかろうと、最後には笑えて幸せになれる終わり方なんだから。救いがない終わりを望むのは高二になってからな。