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箱には無秩序に日常が投げ込まれているよブログ

察せよ

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

映画版最終兵器彼女が失敗した理由とはなんであろうか。様々な意見があるだろうが、私はひとえに「ちせが方言を使わないから」だと確信している。純朴な顔して訛った言葉遣いをするその姿が可愛さを表現し、何とも言えない儚さをそこに重ねるのである。外面とのギャップ。それこそが昨今蔓延する「方言萌え」の正体である。「外見が幼女でババア言葉」という物があるが、それもやはり「方言萌え」の一種に他ならない。
などと無駄なことを書いてきたが、本作は珍しいタイプのバトルが繰り広げられる。商人たちの金と権利を賭けた手八丁口八丁による化かし合い。その緊迫感が何とも言えずに素敵である。
また、何より主人公コンビが非常に素晴らしい。これほど見ていて微笑ましいコンビも久しぶりである。
かように、かなり素敵な作品でした。何よりも心を掴んだのは、つまり、そういうことです。